日中間の医療橋渡しビジネス

日本企業の方へ

支援事業の背景

背景

日本と中国の間には、歴史問題、政治問題など様々な問題があります。また日本企業の中国企業に対する不信感は根強いものがあります。これらが日中間の企業連携を阻害している現状は、不幸としか言いようがありません。この状況は医療関係ビジネスにおいても当てはまります。さらにこの分野には、両国で医療関係制度が大きく異なっているという障壁もあります。 一方、市場が横ばいとなっている日本市場に比べ、中国の医療関連市場は急拡大しています。特に、富裕者層の増加は、日本での高品質な医療ビジネスを中国へ持ち込むことを可能にしつつあります。そこで、日本企業にとって中国市場への進出は有望です。一方、医療分野においては未だ日中間で、技術、経験、社会的成熟度には大きな差があり、中国企業にとって日本の技術、経験、システムを導入することは、ビジネスとして大変有望です。 このように考えると、日本の医療関係企業の中国進出は大変重要です。当社は1995年に当社の発明した医薬品を開発・販売するために北京泰徳製薬を設立するなど、いち早く中国での医療ビジネスに進出し、北京泰徳製薬を中国有数の製薬企業に成長させるなど中国での礎を築いてきました。また2021年には、中国最大の製薬企業グループである中国生物製薬グループとも資本業務契約を結び、中国での事業を拡大しています。そこでこれらの経験・人脈により、中国進出を考える医療関係日本企業の支援を行います。

当社の強み

当社は、医薬品開発を実際に行っていますので、実務的な支援やコンサルティングが可能です。

  • 製品・技術を、様々な科学的専門性(薬理、生化学、知財、生産、臨床)から評価し、中国企業へアピール出来る
  • 中国生物製薬グループの各企業から、実際に中国で開発する立場からのアドバイスが得られる
  • 中国生物製薬グループの各企業が持つ、政府や医療機関とのネットワークを生かした共同ビジネスや支援が可能である

具体的な支援内容

中国進出を考える医療関係の日本企業に、ビジネスパートナーとしての中国生物製薬(北京泰徳製薬を含む各グループ会社)を紹介します。その場合、中国生物製薬との連携が円滑に進むように、最後まで支援をさせて頂きます。最近の成功例としては、当社が仲介して三笠製薬のパップ剤の技術を北京泰徳製薬に導出した例があります。既に200億円を超える売り上げ(薬価は日本より高い)をあげており、両社に大きな利益をもたらしています。

また、中国進出を考える医療関係の日本企業のために、中国生物製薬の支援を受けて、調査、コンサルティングも行います。例えば、中国医療制度、知財、市場環境などに関して調査・コンサルティングを行い、中国進出を考える医療関係の日本企業を支援したいと考えています。

尚、中国生物製薬グループの企業の中には、病院経営、薬局経営、化粧品開発・販売、健康食品開発・販売、病院食開発・販売など、医薬品以外のビジネスを行っている企業がたくさんあります。そこで、これらに関して中国展開をお考えの方も是非当社までご相談下さい。

中国ビジネスを行う日本企業への投資

当社は自社での医薬品開発に加え、有望な企業には投資・研究開発協力を行い、その発展を手助けすることも行っております。20年以上前に当社と中国政府系病院が設立し中国有数の製薬企業に成長した北京泰徳製薬がその成功例です。そこで、中国への進出を考えている独創的な技術を持つベンチャー企業や将来有望な日本企業に対する投資も積極的に行いたいと考えております。 画期的な技術、或いは商品を持っている日本企業(ベンチャーを含む)で、中国への進出を独力で行うことが出来ないが興味はあるという企業様がいらっしゃいましたら、是非当社にご相談下さい。尚、中国生物製薬が日本企業に投資する場合、当社も同時に投資し、その日本企業と中国生物製薬の橋渡し役を担うことを基本としております。

中国生物製薬について

Charoen Pokphand グループ(CPグループ、正大集団)はタイの最大の企業であり、タイの国家予算の半分に相当する5兆円の売上高、全世界での従業員数30万人のアジア有数のコングロマリットです。中国の改革開放政策に基づき、外資系企業として初めて中国に進出した企業として、中国では高く評価されており、政府との良好な関係を築いています。また日本では、伊藤忠商事株式会社と業務・資本提携を結び、大株主となっています。

CPグループの医療・健康分野を担うのが、中国生物製薬(香港市場一部上場)です。創業者の謝炳氏(当社取締役副会長)はCPグループ全体でも副董事長として、重要な役割を果たしています。中国生物製薬はホールディング会社であり、製薬企業を中心に100を超える企業を傘下に持っております(北京泰徳製薬もその一つです)。約15000人の従業員、4000億円を超える売上、14%を超える成長率、3兆円を超える企業価値を誇る、中国最大級の製薬企業集団です。中国生物製薬はグループ内の企業同士を連携させ、その価値を高めていくことを得意としております。

また、資金や販売網で困っている企業にこれらを提供し、その発展(株式公開など)を手助けすることでも知られております。最近では、新型コロナワクチンを製造しているシノバック社に500億円を超える投資をしたこと、アメリカで二重抗体医薬を開発しているベンチャー企業(ナスダック上場)に200億円を超える投資をしたこと、また塩野義製薬株式会社の新型コロナウイルス感染症治療薬(ゾコーバ)の中国でのプロモーションを行う契約を結んだことが話題になりました。

当社と中国生物製薬は北京泰徳製薬の株主としてこれまで交流してきましたが、当社の技術、パイプライン、人材、日本でのネットワークを評価した中国生物製薬は、当社株式の公開買付けを実施し、17%を超える株式を保有すると共に、当社と資本・業務提携を結びました。この提携では、当社が中国生物製薬の日本企業への窓口となること、つまり、中国生物製薬のパイプラインの日本企業へ導出、及び日本企業のパイプラインの中国生物製薬へ導出を当社が仲介することになっています。また、中国生物製薬が日本企業に投資する場合、当社も同時に投資し、その日本企業と中国生物製薬の橋渡し役を担うことにもなっています。

北京泰徳製薬について

沿革と業績

北京泰徳製薬は、当時参議院議員をしていた当社の創業者である水島裕が、日中医学交流の一環として中国政府と相談し、当社と中国の政府系病院である中日友好病院が出資して1995年に設立した合弁企業です。

当社は大正製薬(当社の特許を使って、リポPGE1の製造と販売を日本で実施)の助けを借りてリポPGE1の知財と生産技術を提供し、中日友好病院は生産場所を提供し、北京泰徳製薬はリポPGE1の開発に取り組みました。その結果、1998年にその上市に成功しました。2003年には同じく当社の発明品であるリポNSAID(科研製薬からの技術導入)、2008年にはベラプロストナトリウム錠剤、2010年にはフルルビプロフェンパップ剤(三笠製薬からの技術導入・当社が仲介)、2011年にはプロナーゼ顆粒剤を発売しました。その後も、ビルダグリプチン錠剤(糖尿病治療薬)、リドカインパップ剤、リマプロスト錠剤などを発売しております。

北京泰徳製薬は、世界的財閥であるCPグループ(タイ最大の企業)の医療産業分野を担う中国生物製薬(香港市場上場、中国最大級の製薬企業グループ)の出資を受け、2005年に北京経済技術開発区(3万平方キロメートル)に、研究所・工場を建設しました。最近、その近くに18.5万平方キロメートルの土地を購入し、第二工場を建設しました。注射剤、錠剤、散剤、貼付剤の生産ラインを持つこの新工場で生産する医薬品・医療機器をライセンスインや技術移管により導入したいと考えています。

北京泰徳製薬は中国を代表する製薬企業に成長しました。従業員数も2000人を超え、近年急速に成長しています。特に、脂肪乳剤と外用貼付剤では中国最大の企業です。当社は現在でも北京泰徳製薬の株式の11%以上を持つ大株主です。また北京泰徳製薬は当社の株式の19%以上を持つ筆頭株主です。2009年以降、当社と北京泰徳製薬は資本業務提携を継続し、協力して研究開発を進めています。

北京泰徳製薬の強み

1. 販売力

代理店を利用せず、1300人を超える自社MRが医薬品を販売しています。医学・薬学専門のMRが90%以上であり、学術的な営業が可能です。全国34カ所の営業所を基点として、中国のあらゆる省・市・自治区(全国3700以上の病院)をカバーしています。

2. 技術力

2007年に日本のGMP基準を満たし、厚生労働省から「医薬品・無菌医薬品外国製造業者認定証」を中国企業として初めて取得しました。日本へ医薬品を輸出した実績も持っています(今も日本の大手製薬会社にOEMとして輸出しています)。現在、注射剤、錠剤、散剤、外用貼付剤の生産ラインが稼働しています。特に、脂肪乳剤、及びパップ剤に関しては、中国最大の生産施設を持っております。また最近では、新薬の開発にも力を入れており、肺線維症の新薬を米国企業にライセンスアウトし、現在臨床試験を実施しています。

3. 日本との親密性・信頼性

国際部には日本語に堪能な社員が多く在籍しています。また、現在上市している医薬品のほとんどは日本からの導入品ですが、契約書に基づき、契約費用(ロイヤルティなど)を日本企業にきちんと支払っています。日本企業からの信用も大変高く、泰徳とビジネスを行った多くの日本企業はそこから高い利益を得ています。

4. 政府、及び主要病院との強い繋がり

中日友好病院や出身大学のパイプから、政府、及び主要病院と強い繋がりを持っています。そのため、当局との交渉、入札競売、保険収載などで、強い競争力や交渉力を持っています。

5. コンプライアンス遵守

法務部にコンプライアンス部を設置し、国際基準に則ったコンプライアンスを遵守しています。

6. 入札

各行政地域に担当者を配備しており、入札情報を速やかに入手できます。入札募集の時、政府と病院の専門家は企業の信用と製品の品質を調査しますが、この点において泰徳は大きな強みを発揮しています。

7. 事業拡大

最近では医薬品に限らず、医療・健康総合企業への成長を続けています。例えば、健康食品・化粧品・市販薬分野での他企業との提携を進めたり、多くの薬局と提携し市販薬や処方薬に関する強力な販売ルートを確立したりしています。また、国内外の多くの先端医療機関と戦略的な協力関係を結び、集中治療分野をめぐる新薬の研究開発を加速しています。

北京泰徳製薬の注力領域

循環器(特に微小循環改善)、鎮痛、呼吸器、癌、消化器など

河北鼎泰原薬工場について

河北鼎泰有限公司(DING TAI)は弊社と資本業務提携している北京泰徳製薬の100%子会社であり2017年に設立されました。主に医薬品中間体および医薬品原薬の研究/製造/販売を業とする会社です。
パイロットスケールから生産スケールまで製造法の開発や各国GMP準拠での受託製造が可能で、一般的な低分子化合物の製造から危険度の高い特殊な反応までを請け負う事ができます。
また、ICHQガイドラインに基づいた三極薬局法(日局、USP、EP)による品質試験を実施する事が出来るため、研究開発段階から生産/出荷判定まで一貫して低価格・高品質なグローバル開発をサポートすることが出来ます。詳しくは下記のリンクをご確認ください。ご興味がございましたらお気軽に弊社にお問い合わせください。

河北鼎泰製薬有限公司紹介

共同研究開発・コンサルテーショントップ