水島 徹 取締役会長
株式会社LTTバイオファーマは水島裕(聖マリアンナ医科大学名誉教授、前参議院議員)らが発明したDDS(ドラッグデリバリーシステム)医薬品を開発することを目的に創業されました。DDSとは、医薬品を必要な場所に、必要な時間、必要な量だけ送達する技術です。ご存じのように新薬の開発には莫大な時間と費用が掛かります。そこで弊社は既に臨床で使われている医薬品にDDS技術を用いて改良する戦略を採っています。そのため安全性試験の一部を省略することが出来、開発期間が短縮し、特に開発成功確率が上昇します。実際水島裕らが開発したリポPGE1(PGE1(プロスタグランジンE1)を油状粒子に封入し、患部へ選択的に送達させるDDS医薬品)は、研究開始からわずか7年(通常は15-20年)で医薬品として認可され、ピーク時には500億円以上の売り上げを記録しました。
私は約20年に亘って、製薬企業、及び国立大学薬学部で創薬研究に携わって来ました。特に、全国の国立大学に先駆け、医薬品開発を行う創薬研究センターを熊本大学に創設したことは(初代センター長に就任)この業界に大きなインパクトを与えました。また平成20年7月からは、急逝した水島裕の後を継ぎ、取締役会長に就任し、研究開発全般を担当しております。大学での基礎研究の成果を社会還元する(優れた医薬品を創生する)ためにも、また我が国の大学発バイオベンチャーの草分けである(株)LTTバイオファーマを発展させるためにも、これまでの経験を活かし精一杯医薬品開発を進めております。
「開発中の製剤」で述べますように、現在弊社で行っている研究はいずれも実用化までの道筋が立っており有望であります。特にPC-SODは特発性間質性肺炎、及び潰瘍性大腸炎を対象とした第二相臨床試験で有効性が確認され、ライセンスアウトと第三相臨床試験の開始に向け、順調に進んでおります。また熊本大学での基礎研究により、現在は注射剤で開発しているこの医薬品が飲み薬としても開発可能であることが発見されました。注射剤に比べ飲み薬は使いやすく、大きな市場を獲得することが期待されます。PC-SOD以外でも、AS-013やSRGなど水島裕が残した医薬品の開発は順調に進んでおります。また副作用の少ない抗炎症薬やHSP誘導作用を持つ医薬品など、私が行ってきた研究の実用化も急ピッチで進んでおります。このように社員全員が一致団結して医薬品開発に取り組んでおりますので、是非今後とも株主の皆様のご理解、ご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
鈴木 巌 代表取締役社長
LTTバイオファーマは、DDS(※1)技術の黎明期より研究を重ね、他社に先駆けDDS製剤を世に送り出してきました。社名のLTT(Life science and Transfer Technology)のTransferには、薬物送達の意味に加え、大学発バイオベンチャーから創出された医薬品を一刻も早く医療現場に届け、患者様のQOL(※2)に貢献したいとの想いがこめられています。
現在も熊本大学薬学部創薬研究センター、聖マリアンナ医科大学難病治療研究センターおよび東京慈恵会医科大学DDS研究所との産学連携のもと探索的研究を進めるとともに、国内外の製薬企業との連携により臨床開発計画を進めております。
一方、製剤の打錠杵の改良について株式会社マシンパーツとの共同研究を進めてきた結果、従来の常識を覆すような夢の打錠杵(EIP杵)の開発に成功し、多くの企業より好評を得ております。今後はEIP杵の販売拡大を進めるとともに、EIP技術の更なる可能性を追求し、EIP事業を創薬事業に並ぶ柱として育ててまいります。
皆様には是非とも当社のこれからの活動にご理解を賜るとともに、今後とも当社の成長にご期待をいただきたいと存じます。
※DDSとは、Drug Delivery Systemの略。医薬品を必要な場所に、必要な時間、必要な量だけ送達する技術。
※QOLとは、生活を物質的な面から量的にのみとらえるのではなく、精神的な豊かさや満足度も含めて、質的にとらえる考え方。